Letter 細胞:Fas誘発性アポトーシスには細胞膜結合型Fasリガンドだけが必要である 2009年10月1日 Nature 461, 7264 doi: 10.1038/nature08402 TNFサイトカインファミリーの一員でアポトーシス誘導性のFasリガンド(FasL)とその受容体Fasは、慢性免疫応答の停止と自己免疫反応の防止に極めて重要である。したがって、これらの遺伝子の変異は、マウスとヒトで重症のリンパ節症と自己免疫疾患を引き起こす。FasL機能は、細胞膜への沈着とメタロプロテアーゼ介在性シェディングにより調節される。今回我々は、分泌型FasL(sFasL)あるいは膜結合型FasL(mFasL)を選択的に欠損する遺伝子操作マウスを作製し、これを用いて、細胞死滅にどちらの型が必要であるかを明らかにし、これらの非アポトーシス活性についての仮説を検証する。sFasLを欠損するマウス(FasLΔs/Δs)は正常にみえ、そのTリンパ球は標的細胞を迅速に死滅させたが、mFasLを欠損した(FasLΔm/Δm)Tリンパ球はFas活性化を介して細胞を死滅させることができなかった。FasLΔm/Δmマウスは、Fasに結合できない変異型FasLを発現するFasLgld/gldマウスと同様にリンパ節症と高ガンマグロブリン血症を発症するが、C57BL/6を遺伝的背景とするFasLΔm/Δmマウスは、FasLgld/gldマウスではまれでずっと後期になってから起こる疾患である全身性エリテマトーデス様自己免疫性腎破壊と組織球性肉芽腫に罹患する。以上の結果は、mFasLが細胞傷害性活性に必須であり、リンパ節症、自己免疫、およびがんに対する保護機構となっており、その一方で過剰のsFasLは、非アポトーシス活性により自己免疫と腫瘍形成を促進することを実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る