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医学:マイコバクテリウムのプロテアソームに対して選択性をもつが、ヒトのプロテアソームには選択性をもたない阻害剤

Nature 461, 7264 doi: 10.1038/nature08357

多くの抗感染薬は細菌のタンパク質合成を阻害するが、タンパク質分解を選択的に阻害する抗感染薬はない。ほとんどの抗感染薬は複製を行っている病原体を殺すが、宿主の条件によって複製しない状態に追い込まれた病原体を選択的に殺す抗感染薬はほとんどない。このような別方向からの取り組みを探るため、我々は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のプロテアソームの選択的阻害剤の探索を行ってきた。プロテアソームの構造が広く保存されていることを考えると、調べたさまざまな化学種の阻害剤すべてが真核生物と原核生物両方のプロテアソームを阻害し、宿主のプロテアソームよりも病原体のプロテアソームのほうにかなり強く作用する阻害剤が見つかっていないことは意外ではない。本論文では、ある種のオキサチアゾール-2-オン化合物が、複製していない状態の結核菌を殺すこと、結核菌プロテアソームの活性部位にあるトレオニンの環化カルボニル化によって、結核菌プロテアソームの選択的自殺基質阻害剤として働くことを明らかにする。阻害剤-酵素中間体は、コンホメーションが大きく変化することによって加水分解から守られ、オキサゾリジン-2-オンが形成されて活性をもつプロテアーゼ再生が阻害される。活性部位の外側にある残基が水素結合を作って、重要なループ構造を構造変化の前後に安定化するが、この残基はほとんど保存されていない。このことが、オキサチアゾール-2-オン化合物がマイコバクテリアのプロテアソームを強力かつ不可逆的に阻害する一方で、ヒトプロテアソームにはほとんど影響しない理由かもしれない。

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