Letter 量子情報科学:ジョセフソン位相キュービットにおけるベル不等式の破れ 2009年9月24日 Nature 461, 7263 doi: 10.1038/nature08363 量子力学では、観測過程はやっかいな役割を演じている。なぜなら観測は、起こる可能性はあるが、原理的に予測できない結果の中から「選ぶ」ことを系に強制するからである。そのため、隠れた古典的な過程が、結果の統計分布を保ちながら、あらかじめ決定された観測結果を与えているかもしれないと考えられてきた。しかし、古典的に決定した相関を、もっと強い量子相関と区別できる定量的な尺度がベル不等式の形で存在し、この不等式を観測すれば、それは量子力学が完全な記述を与えることを示す強力な実験的証拠になる。本論文では、固体系でベル不等式が破れることを実証する。スピン1/2粒子として作用する一対のジョセフソン位相キュービットを使い、これらを量子もつれ状態にできること、そしてクラウザー・ホーン・シモニー・ホルト(CHSH)版のベル不等式の破れを観測できることを示す。我々は、2.0732±0.0003のベルシグナルを観測した。これは、古典系の最大振幅2より244標準偏差大きい。この実験では、量子もつれ状態を決定論的に発生し、それぞれ単一ショットごとの測定で両方のキュービットを観測して、検出のループホールを閉じた。ベル不等式は、問題としている系に量子力学が適用できるとは仮定せずに、非古典的な振る舞いを検証するように設計されているため、この実験から、巨視的な電気回路が実際に量子系であることを示す強力な証拠がさらに得られた。 Full Text PDF 目次へ戻る