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細胞:RAF触媒作用活性化は二量体化に依存する機構によって誘導される

Nature 461, 7263 doi: 10.1038/nature08314

ERK(extracellular signal-regulated kinase)経路は、細胞増殖、分化、生存を制御する進化的に保存されたシグナル変換モジュールである。増殖因子の結合による受容体型チロシンキナーゼ(RTK)の活性化によって、RASへのGTP結合が引き起こされ、これがRAFファミリーキナーゼの機能調節によりERK経路活性化における初期段階を開始させる。RAFはいったん活性化されると、MEK、次いでERKを活性化するリン酸化反応の連続カスケードにかかわる。RTK、RAS、あるいはRAFの活性化変異によって引き起こされる、ERK経路を介する抑制されないシグナル伝達は、複数のヒトがんと関連がある。注目すべきことに、RAFファミリーメンバーの1つであるBRAFは、キナーゼスーパーファミリーの中で最も頻繁に変異がみられるがん遺伝子である。このキナーゼファミリーの基盤的な調節機構の解明には、当然ながら多大な努力が払われている。特に、RAFキナーゼドメインがその基質であるMEKに対して活性化される過程は、いまだに注目を集めている問題である。今回我々は、ショウジョウバエSchneider S2細胞を用いて、RAFの触媒機能がそのキナーゼドメインの独特な様式による二量体化に応じて調節されることを明らかにする。我々は、これを並列(side-to-side)二量体と名付けた。さらに、RAF関連偽キナーゼKSR(kinase suppressor of Ras)もまた、RAFとの並列ヘテロ二量体形成を起こし、これによってRAF活性化を引き起こせることがわかった。この機構はRAF触媒活性化に関する長年の謎に対する説明となり、KSRが、触媒機能がないにもかかわらず、直接的にRAFの活性化を引き起こせることも説明できる。我々はまた、RAFの並列二量体形成が発がん性のBRAF変異体による異常なシグナル伝達に不可欠であることを示し、並列二量体化の促進により特異的に作用する発がん性変異も同定した。総合すると今回の結果は、RAFの並列二量体の接触面が、BRAF依存性腫瘍形成への治療介入のための治療標的候補であることを示している。

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