Letter 神経:脊椎動物脊髄内の行動モジュールの光遺伝学的分析 2009年9月17日 Nature 461, 7262 doi: 10.1038/nature08323 体移動は、リズミックな運動に必要な周期的運動指令を生み出す中枢パターン発生器(CPG)という神経ネットワークに依存している。脊椎動物では、脊髄のCPGを駆動する興奮性シナプス信号は、脊髄より上位の中枢からのグルタミン酸作動性入力の場合も、脊髄内で作られる入力の場合もありうる。今回我々は、交差的遺伝子発現と光遺伝学を組み合わせ、ゼブラフィッシュ幼生で自発的な体移動を駆動するCPGへの脊髄性入力を同定した。ある特定の細胞種を光刺激するだけで、ゆっくりとした自発的前進遊泳に相似した左右相称的な尾の連続的な振れが誘発された。このニューロンはKolmer-Agduhr細胞といい、脳脊髄液が満たされている脊髄中心管内に繊毛を伸ばしており、同側を上行する軸索をもち、その軸索は一連の連続した体節内で終止している。遺伝子操作でKolmer-Agduhr細胞の活動を停止させると、自発的な自由遊泳の頻度が下がった。これは、Kolmer-Agduhr細胞の活動が、自発的前進遊泳に必要な正常な緊張状態を提供していることを示している。Kolmer-Agduhr細胞は75年前から知られているが、その機能は不明だった。今回の結果から、ゼブラフィッシュの発生初期に、この細胞が自発的体移動のために脊髄CPGに対して正の駆動力を提供することがわかった。 Full Text PDF 目次へ戻る