Letter 遺伝:ヒストンH2A.ZはRNAiやヘテロクロマチン因子と協調してアンチセンスRNAを抑制する 2009年9月17日 Nature 461, 7262 doi: 10.1038/nature08321 真核生物のトランスクリプトームの特徴である非コードRNAやアンチセンスRNAの広範な転写は、クロマチンリモデリング、遺伝子調節やヘテロクロマチン構築などの重要なクロマチン過程につながる。しかし、これらの転写物は有害に働くことがあり、その蓄積は核のエキソソームによる分解などの複数の機構により抑制されている。細胞が分解の標的とするRNAとタンパク質をコードしているRNAとを区別する機構は明らかではない。今回我々は、JmjCドメインタンパク質を含むSwr1複合体によって、遺伝子の5′末端に選択的に結合する変異型ヒストンH2A.Zが、分裂酵母Schizosaccharomyces pombeのゲノムでアンチセンス転写物の抑制にかかわっていることを示す。H2A.Zのこの役割は、ユークロマチンに分布するClr4(哺乳類ではSUV39Hとよばれる)含有へテロクロマチンサイレンシング複合体やRNA干渉を構成するArgonaute(Ago1)と部分的に重複している。Clr4あるいはAgo1の消失だけでは、アンチセンス転写物の濃度に与える影響は少ないが、これらのどちらか一方とH2A.Zを欠損する細胞では、本来ならばエキソソームにより分解されるアンチセンスRNAの濃度が著しく増大する。以上の結果は、H2A.Zはほかの機能を果たすとともに、ヘテロクロマチンやRNAi因子と協調してアンチセンス転写産物の読み過ごしを抑制するゲノム索引付け機構の構成成分として働いていることを示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る