Article 生化学:Get3による尾部アンカー型膜タンパク質認識の構造的基盤 2009年9月17日 Nature 461, 7262 doi: 10.1038/nature08319 新たに合成された膜タンパク質の小胞体へのターゲッティング(局在化)は、重要な細胞過程の1つである。ほとんどの膜タンパク質はシグナル認識粒子により認識されて、翻訳と同時にターゲッティングされる。しかし、膜タンパク質の5%近くは、カルボキシル末端の膜貫通ドメイン1つだけによって膜に止めつけられている「尾部アンカー型(tail-anchored)」であり、そのために翻訳と同時に輸送する方法が使えない。その代わり、尾部アンカー型タンパク質は、Get3とよばれる保存されたATPアーゼにより、翻訳後に小胞体にターゲッティングされる。尾部アンカー型タンパク質のGet3による認識とターゲッティングの基本機構は明らかになっていない。今回我々は、酵母のGet3の「開いた(ヌクレオチドが結合していない)」状態と、「閉じた(ADP・AlF4−が結合した)」二量体状態の結晶構造を示す。閉じた状態では、Get3二量体中の接触面に大きな疎水性の溝があり、これが尾部アンカー型タンパク質結合に関与しているらしいことが、突然変異解析により明らかになった。開いた状態では、Get3は大規模な再配列を起こし、これによって溝は消失して、溝の疎水表面が隠される。これらのデータは、Get3による膜ターゲッティング中に起こる、尾部アンカー型タンパク質のヌクレオチドにより制御された結合と解離の分子機構を示している。 Full Text PDF 目次へ戻る