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気候:森林における新たな粒子形成を阻害するイソプレン放出

Nature 461, 7262 doi: 10.1038/nature08292

揮発性有機化合物(VOC)は、有機エアロゾルの形成に関与し、ひいては放射強制力や気候に影響を及ぼすことが示唆されている。陸上の植生から放出され、最も豊富に存在するVOCは、イソプレンとその誘導体であるモノテルペンやセスキテルペンなどである。寒帯地域における新たな粒子形成はモノテルペンの放出に関係しており、約−0.2〜−0.9 W m−2と推定される負の放射強制力を生じる。粒子の核形成におけるエアロゾルの成長速度の年変動は、その地域の植生からのモノテルペン放出量の季節変化と相関があり、夏に最大となる。しかし、核形成の頻度は春と秋に最大になる。本論文では、植物チャンバーで行ったシミュレーション実験で得られた、イソプレンが新たな粒子形成を著しく阻害しうることを示す証拠を提示する。観測される粒子数濃度の低下をもたらす過程は、イソプレンのヒドロキシルラジカル(OH)に対する反応性が高いことと関係している。この抑制はイソプレンの濃度が高いほど大きいが、樹木から放出される特定のVOC混合物にはほとんど依存しない。観測された抑制要因をイソプレン濃度の関数としてパラメーター化した結果、形成される新たな粒子の数はOH濃度に依存し、新たな粒子形成に関与するVOCは、OHによる3から4段階の酸化を受けることが示唆された。今回の測定は森林地域の典型的な条件をシミュレートしており、核形成の数が秋や春よりも夏に少ないという、観測されるエアロゾルの核形成頻度の季節性を説明できる可能性がある。生物起源のイソプレン放出は温度と光に制御されており、気候変化や土地利用の変化に応じて生物起源VOC放出中のイソプレンの相対的存在量が増加すれば、新たな形成される粒子が減少し、ひいてはエアロゾルの負の放射強制力の効果を弱めると考えられる。

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