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生態:種多様性の維持におけるニッチの重要性

Nature 461, 7261 doi: 10.1038/nature08251

生態学的群集には、重要な機能的、経済的、美学的価値をもつさまざまな種が含まれるという特徴がある。生態学では、この多様性がどのようにして維持されているのかが長年問われてきた。古典的理論では、安定した多種共存には競争関係にある種の間でニッチが異なることが必要だとされている。この理論が刺激となって、多様性を維持していると思われる生態学的差異の研究が数多く行われてきた。ところが近年、競争関係にある種を等価に扱って多種共存機構を説明する生物多様性の中立理論によって、ニッチの差異が共存機構に重要だとする考え方に疑問が投げかけられた。その後の議論で、生態学的群集にみられる多様性について、ニッチの差異の総体的な重要性をさらによく理解することを求める声が出てきた。今回我々は、理論と実験を統合し、一年生の蛇紋岩植物からなる実験群集の動態が、ニッチの差異によって総体的に安定することを示す。我々はフィールド-パラメーター化個体群モデル(field-parameterized population model)を用い、ニッチの差異による安定化効果がない状態での群集動態という帰無的な期待値を求めた。この帰無モデルで予測された個体群成長率は、種間で数桁のレベルまで異なっており、これは急速な競争排除が生じるに十分なものであった。さらに、野外での二世代にわたる群集変化の後では、ニッチの差異によって安定化された群集の方が、帰無モデルで予測された動態を示す群集に比べて、シャノンの多様性指数が50パーセント以上大きかった。また、種の相対個体数量を操作した実験では、種が希少になると個体群成長率が増大した。これはニッチの差異による個体数変化の特徴である。したがって我々の研究により、ニッチの差異が種多様性の安定化に重要な役割を果たしているという強力な証拠が示された。

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