Article

生化学:転移RNAの核外輸送にかかわる因子の核内および細胞質での構造

Nature 461, 7260 doi: 10.1038/nature08394

転移RNA(tRNA)は、細胞で最も広くみられる分子の1つで、翻訳中のリボゾームでメッセンジャーRNAからの情報を解読するのに重要な役割を果たす。真核生物の細胞では、tRNAは核内で合成されてから、機能する場所である細胞質内へ能動的に輸送される。この過程は、カリオフェリンβファミリーの、tRNAの核から細胞質への輸送だけを行う因子(Xpot、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeではLos1とよばれる)を介して行われる。今回我々は、分裂酵母(Schizosaccharomyces pombe)のtRNAおよびRanGTPと複合体を形成したXpotの3.2 Å分解能の構造と、何も結合していないXpotの3.1 Åの構造を報告する。これらは、この輸送因子の核内と細胞質での状態を明らかにしている。Xpotは、積み荷を結合すると大きなコンホメーション変化を起こし、tRNAを包み込んで、特に注目すべきことにtRNAの5′と3′末端に結合する。この結合様式によって、Xpotが細胞内にある成熟したtRNAすべてを認識したうえに、それらと適切なプロセシングを受けていないものとを区別できるようにして、tRNAの搬出と品質管理とを結びつけている仕組みが説明される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度