Letter 化学:自己集合三次元DNA結晶の合理的設計によって分子スケールの系から巨視的な系を構築する 2009年9月3日 Nature 461, 7260 doi: 10.1038/nature08274 我々は、巨視的な三次元(3D)の世界に生きている。しかし、物質の構造を最もよく記述できるのは、原子や分子のスケールである。2つのスケールの関係を理解するには、分子の世界から巨視的世界への橋渡しが必要である。これらの2つの領域を原子精度でつなぐことは、自然科学の重要な目標であるが、それには物質の3D構造の高度な空間的制御が必要である。精密に設計された3D巨視的物体を作製する最も単純で実際的な方法は、自己集合による結晶配列の形成である。そのような周期的配列には、概念的に単純な要求事項しかないからである。すなわち、しっかりした3D構造をもつモチーフ、モチーフが自己会合する際にモチーフの構成要素の間で起こる支配的な親和性相互作用、これらの親和性相互作用について予測可能な構造である。これらの3つの基準を満たして3D周期系を作製することは簡単ではないが、付着末端をもつしっかりした構造の分岐DNAモチーフがあれば容易に実現されるはずである。相補的付着末端は互いに優先的に会合し、よく知られたB-DNA構造をとる。DNAはらせん状に繰り返す構造を作る性質をもつため、周期的配列の構築が促進される。付着末端に関して、決まる進行方向が同一面を共有せずに伸びて物質の3D配列を形成することは、不可欠である。今回我々は、DNAテンセグリティー三角形に基づいて設計された自己集合3D結晶の、分解能4 Åでの結晶構造について報告する。今回のデータは、精密に制御された規則的な構造をもつ巨大分子の3D結晶格子の設計と自己集合形成が可能であることを、はっきりと実証している。 Full Text PDF 目次へ戻る