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細胞:iPS細胞から四倍体胚補完法によってマウス生体を作製

Nature 461, 7260 doi: 10.1038/nature08267

マウスの繊維芽細胞に4つの転写因子を強制発現させて作製した誘導多能性幹(iPS)細胞が最初に報告されて以来、この技術は霊長類やラットをはじめとして、その他の種のさまざまな細胞型から胚性幹(ES)細胞様の多能性細胞を作製するために使われてきた。この技術は、体細胞のゲノムを胚に似た多能性状態へと再プログラム化するための一般的な手法となり、体細胞核移植およびES細胞と体細胞との細胞融合に代わるものとして用いられている。しかし、iPS細胞の再プログラム化は、依然として時間を要し、効率も悪い。特に、最も厳密な四倍体胚補完法では、これまで動物の生体は作製されていなかったため、完全に多能性の細胞は作製できないと考えられていた。今回我々は、四倍体胚補完法を用い、生存可能で生殖能をもつ仔を作製可能な数個のiPS細胞株を作製したことを報告する。これらのiPS細胞は、in vivoまたは核移植胚で作製されたES細胞に非常によく似た多能性を維持している。我々は、iPS細胞が細胞の再プログラム化および発生能を評価するための有用な手段として使えることを実証し、iPS細胞がES細胞に類似する真の多能性をもちうることを確認した。

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