Letter 生物物理:キネシン頭部の微小管への結合状態の直接観察 2009年9月3日 Nature 461, 7260 doi: 10.1038/nature08259 二量体モータータンパク質であるキネシン1は、ATP加水分解からの化学エネルギーを微小管に沿った積み荷の輸送という機械的仕事に変換する。キネシン尾部に結合した積み荷は、一対のモータードメイン(頭部)が非対称的な「hand-over-hand」(2つの頭部が交互に微小管に結合する)歩行をするにつれて、8 nmの歩幅で連続的に移動する。しかし、歩行の際の個々の頭部の微小管との相互作用の範囲については、依然として議論が分かれている。主な実験的制限は、移動の際の個々の頭部の微小管への結合を測定する方法がないことで、間接的な手法を使わなくてはならなかった。今回我々は、歩行中のキネシン分子での頭部の結合を直接観察する単一分子測定法を開発し、低ATP濃度では歩行の際に1個の頭部のみが微小管へ結合していることを示す。2つのキネシン頭部の片方に、短いDNAのつなぎひもでビーズを取り付け、これを介して、迅速に切り替わる運動妨害負荷と運動補助的負荷を光学トラップにより交互に加えた。ビーズの前方および後方への変位の間の時間依存的な差異は、歩行中に2つの異なる値を交互にとり、これは、ビーズをつないだ頭部が微小管と結合した状態、あるいは結合しない状態をとる際の長さに対応する。ビーズにつながれた頭部は、ATPがもう一方の頭部に結合したときだけ、微小管に再結合できた。 Full Text PDF 目次へ戻る