Letter 細胞:タンパク質につなぎとめられていないポリユビキチン鎖によるプロテインキナーゼの直接的活性化 2009年9月3日 Nature 461, 7260 doi: 10.1038/nature08247 TRAF6はユビキチンリガーゼで、インターロイキン1受容体(IL1R)とToll様受容体から始まるものなど、いくつかのシグナル伝達系におけるNF-κBとMAPキナーゼの活性化に重要な役割を果たす。TRAF6は、UBC13(UBE2Nともよばれる)とUEV1A(UBE2V1)からなるユビキチン結合酵素複合体と協同してLys 63へのポリユビキチン鎖連結を触媒し、これがTAK1(MAP3K7ともよばれる)キナーゼ複合体を活性化する。TAK1はさらにIκBキナーゼ(IKK)をリン酸化して活性化し、それがNF-κBの活性化につながる。IL1R経路とToll様受容体経路ではいくつかのタンパク質がポリユビキチン化されることが知られているが、これらのタンパク質のうちのいずれかのユビキチン化がTAK1やIKKの活性化に重要かどうかは明らかになっていない。今回我々は、精製したタンパク質を用いてin vitroでTAK1活性化を再構築し、どの標的タンパク質にも結合していない遊離のLys 63ポリユビキチン鎖が、ユビキチン受容体TAB2(MAP3K7IP2ともよばれる)に結合することによって、TAK1を直接活性化することを明らかにした。この結合によって、TAK1の自己リン酸化と活性化が引き起こされる。さらに、TRAF6とUBCH5C(UBE2D3ともよばれる)が合成した、タンパク質に結合していないポリユビキチン鎖が、IKK複合体を活性化することもわかった。脱ユビキチン化酵素によってポリユビキチン鎖が分解されると、TAK1とIKKの活性化は起こらなくなった。これらの結果は、タンパク質に結合していないポリユビキチン鎖がTAK1とIKKを直接活性化することを示しており、これはプロテインキナーゼの調節の新しい機構を示唆している。 Full Text PDF 目次へ戻る