Letter

気候:過去1500年間の大西洋のハリケーンと気候

Nature 460, 7257 doi: 10.1038/nature08219

大西洋熱帯低気圧の活動は、年ごとの暴風雨の件数で評価すると、過去10年にわたって異例な水準に達している。しかし、熱帯低気圧の歴史的記録が残されている期間が短いこと、その初期の数十年の記録の信頼性に問題があるかもしれないことから、近年の増加が事実で重要なものなのかどうかについて論争が続いている。本論文では、過去1,500年間にわたる熱帯低気圧活動について、それぞれ独立に推定した2つの結果を比較することで、近年の活動をより長期間の記録の中に置き直した。第一の推定は、上陸したハリケーンが残した地域的な堆積物証拠の合成に基づいたものである。第二の推定は、これまでに公表されている大西洋熱帯低気圧活動の統計モデルを用いたものであり、過去の気候変化の代理指標再構築によって条件が設定されている。この2つから、中世(西暦1000年ごろ)に大西洋熱帯低気圧活動の最盛期があり、その後に活動がややおさまった状態が続いたことを示す一貫した証拠が得られる。この統計モデルは、中世の最盛期は、近年の活動水準に(不確実性の範囲内で)匹敵するか、あるいはそれを超えさえするもので、ラニーニャに似た気候条件による増強効果や比較的暖かかった熱帯大西洋が原因であったことを示している。

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