Letter 宇宙:タイタンの熱帯地方における嵐 2009年8月13日 Nature 460, 7257 doi: 10.1038/nature08193 土星の衛星であるタイタンの表面には、メタンの雲や湖や河成作用による地形のほとんどが、湿潤な高緯度域で観測されている。一方で、熱帯地方にはほとんど対流雲がなく、砂丘などの風が作り出す表面地形が多くみられる。ホイヘンス探査機によって赤道付近で観測された小規模な溝や乾燥した河床が、対流(したがって強い雨)を維持することができないと考えられている地域に存在することは、これらが地質学的な浸潤、または降雨とは関係しないほかのメカニズムによるものであることを示唆している。本論文では、熱帯地方の明るい一時的な対流圏雲の存在について報告する。雲活動の初期のパルスがプラネタリー波を生成し、これによって、少なくとも数年間は雲がなかったタイタン全域にわたって、ほかの緯度域で雲活動が引き起こされたことがわかった。これらの観測結果は、ある緯度域での対流パルスが、ほかの緯度においても短時間の上昇気流を誘発可能で、これは一般的に上昇気流を維持することができないと考えられているような地域にも及ぶことを示唆している。そしてこのことにより、ホイヘンスの着陸地点近くの液体メタンによって作られた川や溝の存在も説明できる可能性が示されている。 Full Text PDF 目次へ戻る