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ゲノム工学:多重ゲノム工学的手法および加速進化による細胞のプログラミング

Nature 460, 7257 doi: 10.1038/nature08187

自然界の生物の間に認められるゲノム多様性の幅広さは、生物集団が多様な環境に適応できるようにしている。しかし、ゲノムの多様性を実験的に作り出すのは困難であり、現実的な時間スケールで新しい表現型を出現させるのは容易でない。in vitroおよび定向進化の方法で有用性の向上した表現型をもつ遺伝的変異体が作製されてはいるが、こうした方法は、個々の遺伝子に対する手間のかかる直列的な操作に限られており、遺伝子ネットワークまたはゲノムの並列的で連続した定向進化には用いられない。本論文では、細胞を大規模にプログラムして進化させるための多重自動ゲノム工学法(multiplex automated genome engineering;MAGE)を紹介する。MAGEは、1細胞または細胞集団全体を対象に、染色体上の多数の部位を同時に標的化して変化させることにより、さまざまな組み合わせのゲノム多様性を生み出す。その過程は周期的で規模の変更も可能であることから、MAGE技術を自動化する試作機を製作し、遺伝的変化(ミスマッチ、挿入、欠失)の多様なセットが短時間で連続的に作り出されるようにした。大腸菌の1-デオキシ-D-キシルロース-5-リン酸(DXP)生合成経路の最適化にMAGEを応用すると、工業的に重要なイソプレノイドであるリコピンが過剰に生じた。合成DNAの複雑な混合物を使ってDXP経路の遺伝要素を24個同時に変化させると、1日当たり43億通りを超える組み合わせの変異体が得られた。リコピン産生量が5倍を超える変異体が3日以内に単離され、これは既存の代謝工学的方法と比べて相当に優れている。我々の多重方式は、新しい優れた特性をもつ生物の設計および進化を促進することにより、進化を応用した手法を取り込んでいるといえる。

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