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人口統計学:社会の発展が進むにつれて出生率の低下が回復する

Nature 460, 7256 doi: 10.1038/nature08230

世界人口は20世紀中に経済や社会の発展により前例がないほど増加したが、それと同時に、出生率や人口増加率は大幅に低下した。そのため、経済や社会の発展と出生率との負の関連は、社会科学における経験的規則性の中で最も強固に確立され広く認められたものの1つとなっている。発展と出生率低下とのこの密接な関連の結果、現在、世界人口の半数以上は、出生率が人口置換水準(1人の女性が一生に産む子どもの数が2.1人)未満の地域に住んでいる。しかも、高度に発展した国の多くでは、この出生率低下傾向は不可逆的だと考えられている。したがって、急激な人口高齢化と、一部の国で見込まれる大幅な人口減少は、社会経済上の重要な懸案事項であり政治課題となっている。今回我々は、合計特殊出生率と人間開発指数(HDI)とを新たに横断的および縦断的に分析し、確定的と思われてきた出生率と発展との負の関係に、21世紀に入ってから根本的な変化があったことを示す。HDIレベルが低いか中程度の場合には発展によって出生率の低下が促進され続けるが、我々の解析では、HDIが高レベルの場合には、発展がさらに進むと出生率の低下傾向が回復することがわかった。それまでの発展と出生率の負の相関関係がJ字形になり、高度に発展した国ではHDIと出生率が正の相関を示す。このように経済や社会の継続的発展によって出生率が低下から増加に転じることで、人口高齢化の速度が遅くなり、それによって、出生率の極度の低下とその持続に伴う社会問題や経済問題が改善される可能性がある。

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