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地球:沈み込み帯が形成されつつあるニュージーランド・マルボロにおける流体分布と変形領域

Nature 460, 7256 doi: 10.1038/nature08204

新たに形成されつつある沈み込み帯の研究によって、主要断層帯の形状がリソスフェア内の浅部から深部までどのように進化するかや、地殻流体がどのように元素を輸送し、地震の発生に関与するかを明らかにできる。ニュージーランドでは、プレートの斜め沈み込みによる横ずれ圧縮場が、南島北部のマルボロ横ずれ断層帯で南西方向に進行しており、上に述べた過程を調べるために理想的な場となっている。今回我々は、断層帯を横切る測線で高密度、高精度のマグネトテルリック法探査データを取得することによって、100 kmを超す深さまでの電気比抵抗構造の断面を得た。我々のデータは、沈み込むプレート上面に沿って発生する流体と、地殻内の岩石変形とを結びつける過程には、沈み込み体の発達に応じて3種類が存在することを示唆している。海溝のすぐ陸側では大量の流体が放出される。そのため、広域的な剪断が始まると、その上にある地殻内に網目状の断層破砕が生じ、地殻は確実に弱くなる。マルボロ断層帯の内陸部では、浅部の脆性破壊域に狭い横ずれ断層が存在する。しかし、その深部の延性領域では、流体が存在するために剪断帯が横に広がり、狭い変形帯とはならない。沈み込み帯の深部で生成される流体は、100 km以上の深さから上昇し、上部地殻の地震発生層に侵入して、高角な逆断層で歴史的な巨大地震を発生させてきた。この高角な逆断層は、流体が存在しない場合には破壊されにくい。この研究で明らかになった地殻流体と地殻変形の関連は、ジオダイナミクスモデルでは、岩石の変成作用と流体輸送過程とをあわせて考慮しなければならないことを強く示している。

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