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海洋:生物による海洋混合が粘性によって増強される機構

Nature 460, 7255 doi: 10.1038/nature08207

海洋で生物が引き起こす乱流に関する近年の観測結果からは、海洋混合に対する動物遊泳の関与の重要性に関して相反する結論が導かれている。測定結果から、群れて遊泳する動物プランクトンの大規模個体群の近傍では、風や潮汐によって引き起こされるレベルと同程度に乱流散逸が増大することが示されている。しかしながら、乱流散逸の増大だけでは、生物による混合が実際に起こっていることの証拠として不十分である。なぜなら、小型動物の乱流運動エネルギーの大部分がOzmidov浮力長スケール以下で注入され、この場合は主として流体粘性によって熱として散逸するために、海洋混合に影響を及ぼすことがないからである。生物起源の混合について現在も続く論争は、動物運動の後流が起こす乱流と海洋乱流の比較解析に集中してきた。本論文では、50年以上前にチャールズ・ダーウィン(進化論のチャールズ・ダーウィンの孫)によって初めて提起されたがこれまで十分考察されることがなかった第二の流体混合機構が、遊泳動物による混合の主要な機構であることを示す。ダーウィンの機構による混合効率は、流体長のスケールではなく、動物の形状に依存し、乱流後流による混合とは異なり、流体の粘性によって増大する。したがってこれは、小型の動物プランクトンと大型の哺乳類で等しく有効となりうる生物起源の混合機構である。ダーウィンの混合と乱流後流による混合の相対的な寄与についての理論モデルを作製し、新しく開発されたスキューバ型レーザー流速計を用いて遊泳するクラゲのin situ野外測定を行って、このモデルを評価した。これらの結果をほかの動物について推定することは、鉛直移動の際のその動物の形状や向きに関する情報があれば容易である。我々は、広範囲の水生動物種に関する計算に基づいて、ダーウィンの機構による生物起源の混合は、海洋の混合と栄養輸送に大きく関与している可能性があると結論する。

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