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神経:プレセニリンは神経伝達物質の放出の制御に必須である

Nature 460, 7255 doi: 10.1038/nature08177

プレセニリン遺伝子の変異は、家族性アルツハイマー病の主要原因である。プレセニリン活性の消失および/あるいはアミロイドβペプチドの蓄積が、シナプス機能の障害によりアルツハイマー病の発病を引き起こすとされている。しかし、このシナプス機能不全が起こる正確な場所とその性質はわかっていない。今回我々は、遺伝学的手法を用いて、海馬のシェーファー側枝経路のシナプス前(CA3)、あるいはシナプス後(CA1)ニューロンでプレセニリンの条件付き不活性化を行った。シータバースト刺激によって誘導された長期増強は、プレセニリンのシナプス前欠失で減弱するが、シナプス後欠失では減弱しない。さらに、短期可塑性とシナプス促通はプレセニリンのシナプス前不活性化により影響を受けるが、シナプス後不活性化では影響を受けない。NMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体の開口チャネルアンタゴニストMK-801を用いて測定した誘発グルタミン酸放出の確率は、プレセニリンのシナプス前不活性化により低下する。タプシガルジンによる小胞体Ca2+貯蔵の枯渇、あるいはリアノジン受容体阻害薬による貯蔵庫からのCa2+放出阻害によって、シナプス前プレセニリン不活性化の影響が模倣され、影響が遮断されることは注目に値する。総合すると以上の結果は、プレセニリンがシナプス前終末での細胞内Ca2+放出の修飾により、神経伝達物質放出の活動依存性制御と長期増強誘導に選択的な役割を果たすことを示しており、さらに、シナプス前機能不全がアルツハイマー病における認知症や神経変性につながる早期の病理学的現象である可能性を示唆している。

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