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遺伝:野生霊長類のマラリア耐性遺伝子の進化

Nature 460, 7253 doi: 10.1038/nature08149

人類に最も近縁の現生生物である非ヒト霊長類の生態、行動、および遺伝学は、人類自身の進化の理解に役立つと考えられる。霊長類の生態および行動に関しては大量のデータが集められているが、霊長類、特に野生霊長類の生物学的特徴の機能遺伝学的、また進化遺伝学的側面に関して知られていることはずっと少ない。そのため、適応的に重要な特徴に影響する非遺伝的要因が特定されている研究の進んだ集団でも、そのような形質に内在する遺伝的基盤はほとんど解明されていない。今回我々は、アンボセリ国立公園(ケニア)に生息するキイロヒヒ(Papio cynocephalus)のよく研究されている集団での、マラリアに関連するFYDARC)遺伝子の遺伝的変異の機能的重要性について報告する。FYは、本来は赤血球表面で発現するケモカイン受容体をコードしており、この受容体は三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)の侵入箇所であることが知られている。我々は、ヒヒに多いマラリアに似た病原体Hepatocystisに対する感受性表現型変異と関連する、ヒヒFY遺伝子シス調節領域の変異を発見した。この領域の遺伝的変異は、野生個体でのin vivo遺伝子発現にも影響しており、その結果はin vitroレポーター遺伝子の分析で確認された。この遺伝子座内および周辺の遺伝的変異のパターンは非中立進化も示唆しており、ヒヒのFYシス調節領域の進化が、ヒトのこれと相同の領域と機構的および選択的に類似している可能性が出てきた。今回の結果は、非ヒト霊長類の自然集団にみられる遺伝的変異と複雑な形質とを結ぶ関係、またその機能的特徴を初めて明らかにしている。

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