Letter

化学:機能化された金属ナノ粒子膜における光伝導および逆光伝導

Nature 460, 7253 doi: 10.1038/nature08131

従来型光伝導体では、光を衝突させると価電子帯や伝導帯に可動電荷キャリアが生じ、その材料の伝導率が上昇する。このような正の光伝導は、バルク伝導体とナノ構造光伝導体のいずれにもみられる。今回我々は、粒子の表面プラズモン共鳴に近い波長の可視光を照射すると伝導率が上昇、または低下するナノ粒子系材料群について報告する。これらのプラズモニック材料の顕著な特徴は、伝導率変化の符号とナノ粒子間の電子輸送特性が、ナノ粒子を安定化する自己集合単分子層(SAM)を構成する分子に依存することである。電気的に中性な(極性および無極性)分子でできたSAMの場合、照射により伝導率は上昇する。しかし、SAMが(負または正に)帯電した基をもつ場合、伝導率は低下する。これまで報告されていなかったこのような逆光伝導の光学的・電子的特性は、ナノ粒子および被覆SAMの材料特性の調節によって柔軟に加工できる。特に、さまざまなナノ粒子や混合SAMで被覆されたナノ粒子の混合物から構成される膜では、全体の光伝導は、個々の成分によって生じる変化の加重平均となる。これらの結果を含む観測結果は、光誘起生成された可動電荷キャリアの帯電SAMを通る輸送が、ポーラロンに似た過渡状態にキャリアが捕獲されることによって阻害されるという考えに基づいて、合理的に説明できる。ここで報告されたナノ粒子系光伝導体は、化学センサーへの利用やフレキシブル基板との併用が可能になるかもしれない。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度