Article 遺伝:生殖細胞への伝達が可能なトランスジェニック非ヒト霊長類の作製 2009年5月28日 Nature 459, 7246 doi: 10.1038/nature08090 コモンマーモセット(Callithrix jacchus)は、生物医学研究で使われる非ヒト霊長類動物モデルとして注目を集めつつある。コモンマーモセットは、霊長類としては比較的繁殖率が高いため、遺伝子改変に適している可能性がある。トランスジェニック非ヒト霊長類を作り出すことは何度か試みられているが、生存する仔の体細胞組織での導入遺伝子の発現は、逆転写ポリメラーゼ連鎖反応法やウエスタンブロット法などの客観的な解析法では示されていない。本論文では、スクロース溶液中でマーモセット胚に自己不活性化型レンチウイルスベクターを注入することで、いくつかの臓器で導入遺伝子の発現がみられるトランスジェニックコモンマーモセットが得られたことを示す。特に、導入遺伝子の生殖細胞への伝達が達成されたこと、また、次世代のトランスジェニックマーモセットが正常に発生したことは注目すべきである。トランスジェニックマーモセット作出の成功によって、ヒトと遺伝的に近縁であるという大きな利点をもつ、ヒト疾患の新しい動物モデルが得られた。この動物モデルは生物医学研究の多くの分野で貴重なものとなるだろう。 Full Text PDF 目次へ戻る