Article

脳:海馬シータ振動は進行波である

Nature 459, 7246 doi: 10.1038/nature08010

覚醒行動時やREM(急速眼球運動)睡眠時に、シータ振動は海馬神経活動の時計役を果たしている。この振動は局所電場電位に顕著にみられ、さらに閾値下の膜電位変動も反映して、海馬ニューロンの発火を強く調節している。従来、確実な実験的証拠のないまま、シータ振動は海馬全体で同期していると広く考えられてきた。しかしそれとは対照的に、今回我々は、自由行動中のラットで、CA1領域のシータ振動が進行波であり、海馬の中隔側頭軸にほぼ沿って伝播していることを示す。また、CA1錐体細胞層の発火は、定常的な進行波パターンで調整されていた。これらの結果は、シータ振動が、時間上だけでなく、解剖学的空間全体にわたって海馬活動を形作っていることを示している。進行波の存在から、海馬の刻々の出力は地理的に構造化されており、物理空間内の一点ではなく1つのまとまり、「節」を表現していることがわかる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度