Letter 地球:後期重爆撃期の冥王代地球では微生物が生存可能だった 2009年5月21日 Nature 459, 7245 doi: 10.1038/nature08015 月の石と衝突融解物、月と小惑星由来の隕石、また古代の火星から来た隕石は、経年に伴って熱変成を受けたことを記録しており、その年代は39億年辺りに固まっていて、それを越えるものはない。これほど多様な太陽系物質群がこうした特徴を共有していることは、一般的に後期重爆撃期(LHB)とよばれる、初期集積後に起こった衝突数のすさまじい急増の結果と解釈されている。初期地球に対するこの爆撃の熱的影響は、地殻の保存や出現した生物圏の生存可能性に対して明らかな重要性をもつにもかかわらず、その影響の程度はあまり絞り込まれていない。本論文では、数値モデルを構築して地殻の熱的変成について調べ、地球全体へのLHBの影響を再現することを試みた。その結果を使い、地表付近と地下の初期微生物圏となりうる、地殻内の生物が生存可能な体積を評価した。解析結果から、少なくとも惑星の初期集積と衝突起源と想定されている月の形成が終わった時期以降には、生物が生存可能な領域から生命体が完全に除去されるような状況は起きなかったことが示された。この結果は、16S小サブユニットrRNA系統樹の根に超好熱性細菌が位置することの説明となり、また、衝突により大きく作り直された惑星上でも微生物圏が存続しうることが今後明らかになる可能性が出てきた。 Full Text PDF 目次へ戻る