Letter 宇宙:初期火星上での水溶液の凍結に対する安定性 2009年5月21日 Nature 459, 7245 doi: 10.1038/nature07978 火星地形の特徴の多くは、液体の水の流れによって作られたと考えられており、火星表面には、水の関与で生じた鉱物が広範囲にわたって豊富に存在する。しかし、火星は低温で、火星全球の平均気温が純水の凝固点よりも相当低かったことを示す証拠も複数存在する。温室効果ガスをさまざまな分圧で組み合わせる火星気候のモデリングでは、火星全球の平均表面気温が273 K以上になるモデルはなかなか得られないことが示されている。また、局所的な熱源では、水和鉱物や蒸発鉱物の火星地形全体にわたる広範囲な分布を説明できない。溶質があれば、凍りついた火星環境内での水の融点を引き下げることができ、初期火星の気候に関するパラドックスの納得できる説明となる可能性がある。本論文では、火星探査機着地点から得られた化学組成に表されているように、玄武岩の風化作用で生じた組成をもつ流体の凍結や蒸発過程をモデル化した。我々の結果は、風化作用によってSi、Fe、S、Mg、Ca、Cl、Na、K、Alを含んだ流体の相当の部分が、273 Kよりもずっと低い温度で液体状態にあることを示している。このモデルを、溶液進化によって産出する鉱物の分析によって検証したところ、産出した鉱物の集合は実際に火星表面で同定されたものと似ていることがわかった。火星上の流体が凍結に対してこのような安定性を示すことは、273 Kよりも相当低い全球平均気温での、塩を含む液相の水の火星表面での活動度を説明できる。 Full Text PDF 目次へ戻る