Letter 免疫:Sykキナーゼシグナル伝達は抗真菌宿主防御のためのNlrp3インフラマソームと結びつく 2009年5月21日 Nature 459, 7245 doi: 10.1038/nature07965 真菌感染は、特に免疫不全患者にとって深刻な脅威となる。インターロイキン-1β(IL-1β)は、抗真菌自然免疫における重要な炎症性因子である。哺乳類の免疫系が真菌の認識後にIL-1β産生を調節する機構は明らかになっていない。一般的には、2つのシグナルがIL-1β産生に必要である。すなわち、IL-1β前駆体(p35)の合成を誘導するNF-κB依存的シグナルと、生物活性をもつIL-1β (p17)を産生するために、インフラマソームとよばれるカスパーゼ-1を含む多タンパク質複合体を介したIL-1β前駆体のタンパク分解プロセシングを引き起こす2つ目のシグナルである。今回我々は、カンジダ菌(Candida albicans)を用いた細胞の刺激後に、いくつかの免疫受容体チロシン活性化モチーフ(ITAM)が結合した真菌のパターン認識受容体の下流で働くチロシンキナーゼであるSykが、IL-1β前駆体の合成とインフラマソームの活性化の両方を制御していることを実証する。IL-1β前駆体合成のためのSykシグナル伝達がCard9経路を選択的に用いるのに対して、真菌によるインフラマソームの活性化には活性酸素種の生成とカリウムの流出が関与する。Sykの遺伝的欠損もしくは薬理学的阻害により、カンジダ菌による活性化は選択的に抑制されるが、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)や細菌毒素ナイジェリシンのようなインフラマソーム活性化因子によるインフラマソーム活性化は抑制されない。カスパーゼ-1(Casp1)活性化とIL-1β前駆体プロセシングのために真菌認識シグナルをインフラマソームのアダプター分子Asc (Pycard)へ伝達する非常に重要なNOD様受容体ファミリーの一員として、Nlrp3(NALP3としても知られる)を同定した。Nlrp3インフラマソームの抗真菌免疫における必須の役割と一致して、Nlrp3欠損マウスはカンジダ菌感染に対する感受性が非常に高い。したがって我々の結果は、真菌感染後のIL-1β産生の分子基盤を実証し、また哺乳類の宿主防御におけるin vivoでのNlrp3インフラマソームの非常に重要な機能を明らかにしている。 Full Text PDF 目次へ戻る