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遺伝:メタトランスクリプトミクス解析によって明らかになった、海洋水柱中の独自の微生物低分子RNA

Nature 459, 7244 doi: 10.1038/nature08055

環境中にある微生物の遺伝子発現は最近、自然の微生物集団からそのまま抽出した全RNAにパイロシークエンス法を適用することで解析されている。このような「メタトランスクリプトミクス」研究のいくつかによって、多くの相補的DNA配列には既知のペプチド配列との有意な相同性がないことが報告され、これらはまだ知られていないタンパク質の転写産物だろうと考えられている。本論文では、微生物のメタトランスクリプトミクスデータセットで見つかったcDNA配列の多くは、よく知られた低分子RNA(sRNA)、またはこれまで知られていなかった、新規の推定sRNA群(psRNA)であることを明らかにする。これらのpsRNAは類似した生息環境から得た微生物ゲノムの遺伝子間領域に特異的に位置しており、保存された特徴的な二次構造をもち、調節機能をもつ可能性が高いとされる遺伝子が両側にあることが多い。海洋ではさまざまな分類群の微生物が深度に応じて分布していることが知られており、psRNAが深度に応じて変化するのは、おおむねそれを表しているが、近い関係にある集団でのpsRNAの微細な違いは、psRNAがニッチへの適応に役割を果たしている可能性を示唆している。Pelagibacterなどの優勢なプラクトン種から得られた一群のpsRNAのゲノム特異的マッピングにより、最近発見された調節因子や新規なものである可能性をもつ調節因子の存在が明らかになった。今回の解析は、メタトランスクリプトミクスデータセットから天然に存在する微生物群集の多様性、分類群の分布、sRNAの存在量についての新しい情報が得られること、また、sRNAが炭素代謝や栄養獲得などの環境関連過程にかかわっていることを示している。

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