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細胞:qiRNAはDNA損傷によって誘導される新種の低分子干渉RNAである

Nature 459, 7244 doi: 10.1038/nature08041

真核生物のRNA干渉経路は、低分子RNAを使って遺伝子を抑制する。内在性低分子RNAには、低分子干渉RNA(siRNA)とマイクロRNAのほかにも数種類があり、遺伝子の調節、生殖細胞の維持、トランスポゾンの抑制などに重要な役割を担っている。これらのRNAの一部の産生には、aRNA (aberrant RNA)すなわちsiRNA前駆体の合成が必要で、これらがRNA依存性RNAポリメラーゼによって特異的に認識されて二本鎖RNAが作られる。aRNAの合成と認識の仕組みはほとんど解明されていない。今回我々は、糸状菌の一種アカパンカビ(Neurospora crassa)で、DNA損傷によってargonauteタンパク質QDE-2と新しいタイプの低分子RNAの発現が誘導されることを明らかにする。QDE-2と結合することからqiRNAと名付けられたこの新種の低分子RNAは、長さは20〜21ヌクレオチド(アカパンカビのsiRNAよりも数ヌクレオチド短い)で、5′末端がウリジンになっているものが非常に多く、ほとんどはリボソームDNA遺伝子座由来である。qiRNAの産生にはRNA依存性RNAポリメラーゼQDE-1、ウェルナー症候群やブルーム症候群に関連するRecQ型DNAヘリカーゼの相同体QDE-3、およびダイサーが必要である。qiRNAの生合成には、DNA損傷によって誘導されるaRNAも前駆体として必要で、この誘導はQDE-1とQDE-3に依存する。特に今回の結果では、QDE-1がaRNAを生産するDNA依存性RNAポリメラーゼであることが示唆される。また、アカパンカビのRNA干渉変異体はDNA損傷に対する感受性が上昇することから、qiRNAはタンパク質の翻訳を阻害することでDNA損傷応答に役割を果たしていると考えられる。

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