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細胞:酵母のエンドヌクレアーゼによって生じたDNA切断が、トリパノソーマ・ブルセイの抗原変換を引き起こす

Nature 459, 7244 doi: 10.1038/nature07982

トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanosoma brucei)はヒトのアフリカ睡眠病の原因となる寄生性の原虫で、ウシのナガナ病の病原体の1つでもある。この原虫は、細胞表面にある変異表面糖タンパク質(VSG)を周期的に切り替える抗原変異によって、宿主の免疫系を回避している。VSGの切り替えは自然に起こり、自然界から単離されたばかりの株では、原虫数の倍加当たり約10−2〜10−3程度の頻度で起こるが、実験室に適応した培養株では頻度は著しく低下する(10−5〜10−6)。VSG切り替えは、主として遺伝子変換によって起こると考えられている。これはDNA損傷によって始まる一種の相同組み換えで、ほかの病原体(カンジダ菌Candida albicans、ボレリア菌Borrelia sp.、淋菌Neisseria gonorrhoeaeなど)で表面タンパク質の多様性を生み出すために、また脊椎動物免疫系のBリンパ球で抗体の多様性を生み出すために使われている。しかし、トリパノソーマ・ブルセイのVSG切り替えの分子機構についてはほとんど解明されていない。今回我々は、転写されたVSG遺伝子の上流にある約70塩基対(bp)の反復配列の付近にDNA二本鎖切断(DSB)を導入すると、in vitroでVSG切り替えの頻度が約250倍に高まり、頻度とその特徴が感染初期に生じるクローンとよく似ている切り替え済みのクローンが生じることを明らかにする。また、活発に転写されているVSG遺伝子の上流の70 bp反復配列中に、自発的に生じたDSBを検出できた。このことから、DSBがVSG遺伝子変換の自然に生じる中間体であり、VSG切り替えは損傷に応じて誘導される複製によってこのDSBが解離した結果起こることがわかった。

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