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進化:酵母にみられる「雪の吹きだまりゲーム」の動態と条件的な「ただ乗り」行動

Nature 459, 7244 doi: 10.1038/nature07921

協力行動の起源を探ることは、進化を理解する上での中心的難問の1つである。微生物の相互作用では動物の相互作用でできないような操作が行えるため、協力や競争の微生物モデルに対する関心が高まっている。出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)がショ糖で生育するには、この二糖をまず酵素インベルターゼで加水分解しなければならない。この加水分解反応は、細胞質の外側、つまり細胞膜と細胞壁の間のペリプラズム領域で行われる。今回我々は、ショ糖の加水分解により生成した単糖類のほとんど(約99パーセント)が、細胞内に輸送可能となる前に細胞外へと拡散しており、インベルターゼの生産と分泌が一種の協力行動として機能していることを実証する。インベルターゼを産生しない突然変異の「ただ乗り」株は、野生型の「協力」細胞集団をうまく利用し、集団内に侵入できる。しかしながら、野生型の「協力」細胞もまた、広範な条件にわたり「ただ乗り」株集団に侵入できる。それゆえ、十分に混合された培地内においては、2株間に安定した共存状態がみられる。これは、希少な戦略がよくある戦略をしのいだ結果であり、ゲーム理論でいう「雪の吹きだまりゲーム(snowdrift game)」のはっきりした特徴である。非線形な利得を組み込んだ協力的相互作用のモデルにより、この共存の発生起源を説明できる。協力のコストか培地内のグルコース濃度のどちらかを変化させることで、競争の結果を変えることができる。最終的に注目されるのは、野生型細胞でのインベルターゼ発現のグルコースによる抑制が、野生型細胞が「ただ乗り」細胞と競争しているときにのみ互いに協力するという、雪の吹きだまりゲームに最適な戦略を生み出していることである。

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