Letter

進化:Homo floresiensisの足

Nature 459, 7243 doi: 10.1038/nature07989

Homo floresiensisは、更新世後期にインドネシア東部のフローレス島のリアンブア鍾乳洞に居住していた固有種の人類である。H. floresiensisの基準標本(LB1)の骨格の足(くるぶし以下の部分)では、左がほぼ完全に、右が部分的に残されている。この足は、二足歩行の進化に関する手がかりを提供し、残りの骨格とともに、人類のアジアへの分散にかかわってくる。今回我々は、LB1の足が大腿骨および脛骨と比較して極端に長く、その比率がこれまで人類で報告されているような数値ではなく、一部のアフリカ類人猿でみられるような値であることを示す。中足骨の頑丈性の順序は人類に近く、母趾も完全に内転しているが、それ以外の固有の比率および足の特徴は類人猿のほうに近い。H. floresiensisの頭蓋後方の解剖学的構造は二足歩行動物のものであるが、下肢の独自な比率や、足における派生的形態と原始的形態の意外な併存は、運動学的および生体力学的に現生人類と異なる歩き方をしていたことを示唆している。したがって、LB1は、現生人類の派生的特徴のすべてを備えておらず、ヒト(Homo)属としては原始的と考えられるモザイク状の構造をもつ二足歩行人類の足に関して、最も完全な手がかりをもたらしてくれる。この新たな知見によって、H. floresiensisの祖先がホモ・エレクトゥス(Homo erectus)ではなく、それより原始的で東南アジアへの分散がまだ知られていない別の人類であった可能性が出てくる。

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