Letter 細胞:ヒストンH3のリシン56のCBP/p300が仲介するアセチル化 2009年5月7日 Nature 459, 7243 doi: 10.1038/nature07861 出芽酵母のヒストンH3の球状コアドメイン内に存在する56番目のリシン残基(H3K56)のアセチル化は、DNAの複製および修復後にDNAをクロマチンへと折りたたむ際に重要な役割を果たすことが、最近示された。しかし、ヒストンでこの特定のマークがもつ機能、並びにその出現については、多細胞真核生物では研究されていない。その主な理由は、H3K56(H3K56ac)のアセチル化で働くことが知られている酵素Rtt109が真菌に特異的であることである。今回我々は、ハエのヒストンアセチルトランスフェラーゼCBP(別名Nejire)と、ヒトのCBPおよびp300(Ep300)がH3K56をアセチル化するのに対し、ショウジョウバエ(Drosophila)Sir2と、ヒトSIRT1およびSIRT2がH3K56acを脱アセチル化することを明らかにする。ヒトのヒストンシャペロンASF1AおよびショウジョウバエのAsf1は、in vivoでのH3K56アセチル化に必要とされるが、ヒトのヒストンシャペロンCAF-1(クロマチン構築因子1)およびショウジョウバエのCaf1は、このマークを有するヒストンをクロマチンへ組み込む際に必要とされる。我々は、ショウジョウバエおよびヒトの細胞で、K56がアセチル化されたヒストンはDNA損傷に応答してクロマチンへ組み入れられ、DNAの修復部位と共局在するフォーカスを形成することを示す。さらに、複数のタイプのがんで、H3K56のアセチル化が上昇しており、これはこれらの腫瘍でのASF1Aレベルの上昇と相関している。後生動物でH3K56のアセチル化レベルを調節する複数のタンパク質が同定されたことで、クロマチン構築をDNA合成、細胞増殖、およびがんに結びつける極めて重要で独特なヒストン修飾の研究がさらに進むであろう。 Full Text PDF 目次へ戻る