Letter 細胞:ヒトエンハンサーにおけるヒストン修飾は広範で細胞型特異的な遺伝子発現を反映する 2009年5月7日 Nature 459, 7243 doi: 10.1038/nature07829 ヒトの身体は、異なる機能をもつさまざまな細胞型によって構成されている。細胞系列は、細胞特異的な遺伝子発現によって指定され、そしてそのような遺伝子発現は各遺伝子のプロモーター、エンハンサー、インスレーターなどのシス制御性DNA配列によって起こるが、この過程におけるこれらの制御性エレメントの相互的な役割は明らかにされていない。我々は、クロマチン免疫沈降に基づくマイクロアレイ法(ChIP-chip法)をこれまでに開発し、ヒトゲノムでプロモーター、エンハンサー、インスレーターの位置を明らかにしている。今回我々は、同様の手法を用いてこれらのエレメントを複数の細胞型で同定し、細胞型特異的な遺伝子発現に果たすその役割について検討した。プロモーターでのクロマチンの状態、並びにインスレーターでのCTCF結合は、さまざまな細胞型間で大部分が不変であることがわかった。これに対し、エンハンサーは極めて細胞型特異性の高いヒストン修飾パターンを特徴とし、細胞型特異的な遺伝子発現プログラムと全体的に強い相関を示し、機能における活性でも細胞型に特異的である。本研究の結果は、ヒトゲノムにおいて転写エンハンサーとして働く可能性のあるものを55,000種以上明らかにしてヒトの既知のエンハンサーの種類を大きく拡大させ、これらのエレメントが細胞型特異的な遺伝子発現に果たす役割を強調している。 Full Text PDF 目次へ戻る