Letter 宇宙:小惑星表面の急速な赤化の原因としての太陽風 2009年4月23日 Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07956 実験室で測定された隕石の反射スペクトルと小惑星の観測データとの比較から、小惑星が大幅に「赤化」していることが明らかになっており、スペクトルの違いは「宇宙風化作用」によって説明されているが、小惑星で実際に起こっている過程やその時間スケールについては異論が多い。最近の研究の1つでは、若い小惑星族はほんのわずかな宇宙風化作用しか受けていない、と結論している。本論文では、これらの小惑星族のさらなる観測により、宇宙風化作用が非常に速く進む過程であるにちがいないこと、すなわちケイ酸塩に富んだ小惑星が最終的な色調に到達するのは、その「誕生」直後(破壊的な衝突が起こってから106年以内)であることを明らかにする。この速い時間スケールからは、宇宙風化作用の主な機構が太陽風の注入であると考えられ、いくつかの競合する過程のうち、太陽風の注入が最も速い過程であることは実験室実験でも示されている。また、実験室データと小惑星データの両方から、風化作用はカンラン石の存在度に依存しているようにみえるため、風化作用の有効性を評価する際には、組成を考慮する必要があることを示す。我々が見いだした急速な色調変化は、小惑星間にみられる色の傾向が、相対年代の違いによるのではなく、組成あるいは表面の粒子の大きさによって決まる可能性が最も高いことを示唆している。地球近傍の小型の小惑星に最もよくみられる、見かけ上フレッシュな表面は、おそらく惑星衝突の際の潮汐作用による揺さぶりの結果であり、これが小惑星の表面を若返らせると考えられる。 Full Text PDF 目次へ戻る