Letter

気候:散乱光の変化が地球の陸上の炭素シンクに与える影響

Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07949

植物の光合成は、照射量が大きいほど活発化する傾向がある。しかし、近年の理論的および観察研究から、光合成は散乱光環境のほうがより効率よく働くことも示されている。雲量や、火山性、もしくは人為起源の放出に起因する大気のエアロゾル濃度の変化は、地表面に到達する光合成有効放射とその中の散乱光の割合を変化させるが、全球の植物の生産性と陸上の炭素シンクに対する全体的な影響は、はっきりわかっていない。本論文では、直接光と散乱光双方の変化が林冠の光合成へ与える影響を考慮するように修正した全球モデルを用いて、散乱光の割合の変化が陸上の炭素シンクに与える影響を見積もった。その結果、主に「地球薄暮化」期間に関係している散乱光の割合の変化によって、1960〜1999年にかけて、陸上の炭素シンクがほぼ25%増加したと推定される。しかし、大気中のCO2が安定化する前に硫酸塩エアロゾルが減少するとする21世紀の気候緩和シナリオの下では、この「散乱光」の肥沃化効果は急速に減少し、21世紀末までにゼロに近づく。

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