Article 発生:ショウジョウバエにおけるトランスジェニックRNAiを用いたNotchシグナル伝達経路の全ゲノム解析 2009年4月23日 Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07936 全ゲノムRNA干渉(RNAi)スクリーニングにより、細胞レベルの現象にかかわる遺伝子のほぼ完全なセットが同定されてきた。しかしながら、複雑な発生過程の研究に対しては、この方法論は組織特異的様式で用いられていない。本研究では、外感覚器官発生過程におけるNotchシグナル伝達経路の研究を目的とした、誘導型ヘアピンRNAiコンストラクトを発現するショウジョウバエ(Drosophila)系統ライブラリーの利用について報告する。まず我々は、タンパク質をコードするショウジョウバエ遺伝子の21.2%について、想定される機能欠失表現型を見いだした。次に二次スクリーニングにより、非対称細胞分裂にかかわる6個の新たな遺伝子と、Notchシグナル伝達経路を制御する23個の新規遺伝子を同定した。さらにタンパク質間相互作用データと我々の表現型解析の結果を統合することにより、Notchシグナル伝達と非対称細胞分裂の制御にかかわる、機能的に検証された全ゲノム規模の相互作用ネットワークを構築した。我々は、クラスタリングアルゴリズムを用いて、Notch制御系としての核移行経路とCOP9シグナロソームを同定した。以上の結果は、複雑な発生過程が全ゲノムレベルでも解析可能であることを示しており、ショウジョウバエゲノムの機能アノテーションに対して、これまでにない研究リソースを提供するものである。 Full Text PDF 目次へ戻る