Letter 工学:誘電力を利用したナノ機械システム向けの汎用的変換方式 2009年4月23日 Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07932 分極体はいかなるものであれ、不均一電場に置かれると誘電力を受ける。この現象は、例えば帯電した物体を近づけると水流が曲がるといったように、巨視的にはよく知られている。この基本的な機構は、光ピンセットでの微小粒子の捕捉(レーザービームの強度によって捕捉力が制御される)や、電場を利用して液体中の粒子を操作する誘電泳動など、さまざまに利用されている。今回我々は、その基盤となっている考えを、急速に進化しているナノ電気機械システム(NEMS)の分野にまで拡張した。このようなシステムについては多様な応用が可能であると期待されているが、ナノ機械運動の駆動・検出方式の最適化が依然として必要である。我々の方法は、制御された局所的なNEMS変換に誘電勾配力を適用するというもので、一連のオンチップ電極を用いて電場勾配を発生させ、誘電体共振器を分極させて、高周波数で可変な引力の下にその共振器を置く。この汎用的アクチュエーション方式は、高効率、広帯域対応で拡張が可能である。また、駆動される機械的素子と駆動方式が分離されるので、任意の分極材料が使用でき、それにより超低散逸のNEMSが可能になる。加えてこの方法では、広い周波数幅にわたって機械的共振を簡単に電圧調節できる。これは、誘電力が共振器-電極間距離に強く依存するためである。共振周波数の変調を利用して、パラメトリックなアクチュエーションが実証された。さらに、そのアクチュエーション原理を逆に使って誘電検出を実現しており、したがって、NEMSの汎用的変換が実現可能になる。この組み合わせは、基本的原理の研究と、信号処理やセンシングなどの応用の両方に役立つと期待される。 Full Text PDF 目次へ戻る