Letter 細胞:非対称細胞分裂時にみられる、Saraタンパク質発現エンドソームでのDeltaとNotchの方向性をもった輸送 2009年4月23日 Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07854 ハエの感覚器前駆細胞(SOP)の非対称分裂後に起こるNotchシグナル伝達では、エンドサイトーシスが重要な役割を担い、SOPの娘細胞の1つpIIbでは、リガンドDeltaとNotchエフェクターSanpodoを区別するエンドサイトーシスによって、方向性をもったシグナル伝達が起こる。今回我々は、DeltaとNotchの輸送を基盤とする新しい指向性シグナル伝達機構を明らかにする。この機構では、既にSOP内部に取り込まれたDeltaとNotch分子が、もう一方の娘細胞pIIaへと運ばれる。エンドサイトーシスにより取り込まれたDeltaとNotchは、タンパク質Saraを発現するエンドソームへと移行する。SOPの有糸分裂の際に、NotchとDeltaを含むSara発現エンドソームは中心紡錘体に向かって移動して、pIIaへと分配される。その後pIIaでは、Sara発現エンドソーム内のNotchがγ-セクレターゼとDelta取り込みに依存して分解され(これはpIIbでは起こらない)、これは細胞内Notch尾部の遊離によるNotch標的遺伝子群の活性化が起こることを示している。したがって、娘細胞ではSanpodoとDeltaの非対称的エンドサイトーシスが起こるよりも前に、偏ったシグナル伝達を起こす新しい機構が働くことが見いだされた。すなわち、SOPの有糸分裂の段階で既に、DeltaとNotchを含むSara発現エンドソームが非対称的に分配されており、pIIaでのNotchシグナル伝達が増加し、pIIbでのNotchシグナル伝達が減少するのである。 Full Text PDF 目次へ戻る