Letter 医学:モノラウリン酸グリセロールは粘膜のSIV伝播を防ぐ 2009年4月23日 Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07831 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染の治療は大きく進歩しているが、伝播の防止は今のところ、達成困難な目標となっている。実際、候補ワクチンと殺微生物剤の最近の治験は期待外れであり、両方とも効果がなく、伝播率増加の懸念があった。とはいえ、サル免疫不全ウイルス(SIV)-アカゲザル(Macacca mulatta)モデルの経膣感染の研究から、感染の非常に初期の段階に伝播防止のチャンスがあることが指摘されている。つまり、初期段階に侵入口での初期の感染創始集団の増加を抑えることによって、ワクチンや殺微生物剤がうまく防御の役を果たす可能性があるのである。今回我々は、このSIV-アカゲザルモデルにおいて、MIP-3α (CCL20としても知られる)、形質細胞様樹状細胞およびこの細胞が産生するCCR5+細胞誘引性ケモカインが関与するアウトサイド・イン型の子宮頸管粘膜シグナル伝達系が、子宮頸部と膣と両方での感染に対する自然免疫および炎症応答と共同して、CD4+ T細胞を動員し、この強制的な増殖を促進することを明らかにする。我々は次に、MIP-3αおよびほかの炎症性サイトカインの産生に対して阻害効果をもち、広く使われている抗微生物化合物であるモノラウリン酸グリセロールが、in vitroで粘膜シグナル伝達とHIV-1およびSIVに対する自然免疫および炎症応答を阻害でき、またin vivoでは、高用量のSIVの膣内への反復暴露にもかかわらず、アカゲザルを急性感染から防御できることを示す。全身性感染を成立させるために必要な標的細胞を集める宿主の自然免疫応答を妨害することに関係していると思われるこの新たな方法は、HIV-1の粘膜感染を阻害するための効果的な治療の開発に新しい有望な道を開くものである。 Full Text PDF 目次へ戻る