Letter 生理:AMPKはNAD+代謝とSIRT1活性の修飾によりエネルギー消費を調節する 2009年4月23日 Nature 458, 7241 doi: 10.1038/nature07813 AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)は、真核生物の進化の過程でずっと保存されてきた代謝燃料ケージであり、細胞内AMP/ATP比の変化を感知する。最近の知見で、メトフォルミン、チアゾリジンジオンや運動の治療効果におけるAMPKの重要な役割が示されており、このことは2型糖尿病やそれに関連する代謝疾患の臨床的管理の基礎となっている。一般的に、AMPKの活性化は細胞エネルギーの蓄えを維持する方向に働き、異化経路のスイッチを入れて、主に酸化的代謝とミトコンドリア生合成を増強することによりATPを産生し、その一方でATPを消費する同化経路のスイッチを切る。この調節は翻訳後現象の速い制御を介して迅速に起こりうるが、またエネルギー需要を満たすために、転写レベルの細胞再プログラム化により起こることもある。今回我々は、AMPKがほかの代謝センサーであるNAD+依存性III型脱アセチル化酵素SIRT1と協調して作用することにより、マウス骨格筋でエネルギー代謝にかかわる遺伝子発現を制御していることを示す。AMPKは、細胞のNAD+濃度を上昇させることによりSIRT1活性を増強し、その結果としてペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γコアクチベーター1αおよびFOXO1(forkhead box O1)やFOXO3a(forkhead box O3)転写因子を含む、SIRT1下流標的の脱アセチル化と活性の修飾が起こる。AMPKが誘導しSIRT1が介在するこれらの標的の脱アセチル化は、エネルギー代謝におけるAMPKとSIRT1の収束的な生物学的作用の多くを説明する。 Full Text PDF 目次へ戻る