Letter 免疫:髄膜炎菌は宿主の炭水化物を模倣したタンパク質を使って補体H因子を動員する 2009年4月16日 Nature 458, 7240 doi: 10.1038/nature07769 補体系は自然および獲得免疫系に不可欠な要素であり、微生物の存在によって開始される一連のタンパク質分解カスケードから構成される。健康な状態では、補体の活性化は、膜結合型タンパク質および可溶性の血漿調節タンパク質によって厳密に制御されており、こうした血漿タンパク質には20のドメイン(補体制御タンパク質リピートとよばれる)からなる155 kDaのタンパク質である補体H因子(fH)が含まれる。多くの病原体は、宿主の補体調節因子を動員することによって免疫による殺傷を避ける能力を進化させており、また、いくつかの病原体は、fHを表面に捕捉・隔離することによって補体による殺傷を避けるように適応している。今回我々は、病原体表面のタンパク質リガンドと複合体を形成した補体調節因子の構造を示す。これによって、重要なヒトの病原体である髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)が、宿主の補体調節因子fHを動員するために、荷電した炭水化物の化学的性質の代わりにタンパク質を使って宿主を模倣することにより、免疫応答を破綻させる仕組みが明らかになる。この構造はまた、fHと髄膜炎菌との相互作用の宿主特異性の分子基盤をも示しており、新規の治療薬やワクチンを開発するための情報を提供する。 Full Text PDF 目次へ戻る