Letter

生化学:鳥インフルエンザポリメラーゼPANの結晶構造で明らかになったエンドヌクレアーゼ活性部位

Nature 458, 7240 doi: 10.1038/nature07720

PA、PB1およびPB2タンパク質で構成されるヘテロ三量体であるインフルエンザウイルスポリメラーゼは、感染細胞の核内でのウイルスRNAの複製と転写を触媒する。PB1がポリメラーゼ活性部位をもち、エンドヌクレアーゼ活性があると報告されているのに対し、PB2はキャップ結合に関与している。PAのアミノ末端はPAタンパク質の主な機能部位と考えられており、ウイルスRNA/相補的RNAプロモーターへの結合とともに、エンドヌクレアーゼ活性やプロテアーゼ活性を含む、いくつかの役割をもつとされている。今回我々は、鳥インフルエンザH5N1ウイルスの、PAのN末端197残基(PANとよぶ)の、分解能2.2 Åでの結晶構造を報告する。PANはα/β構造をもち、多くのエンドヌクレアーゼの特徴である(P)DXN(D/E)XKモチーフに似た配列に配位したマグネシウムイオンが結合していることが明らかになった。構造比較と、PANに見つかったモチーフの突然変異誘発解析から、PANがエンドヌクレアーゼ活性をもつことのさらなる証拠が得られた。さらに、in vivoリボ核タンパク質再構成の機能解析と、in vitroでのエンドヌクレアーゼ活性の直接測定により、PB1でなく、PANがエンドヌクレアーゼ活性部位をもち、インフルエンザウイルスポリメラーゼのエンドヌクレアーゼ活性に重要な役割をもつことが強く示唆された。このエンドヌクレアーゼ活性部位はインフルエンザ株にわたってよく保存されており、PANが新たな抗インフルエンザ治療薬設計の重要な標的となることを示している。

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