Letter

地球:火山性メソ低気圧

Nature 458, 7237 doi: 10.1038/nature07866

強力な火山噴煙は高温ガスと塵の鉛直の柱からなり、その頂部は「傘」状に水平方向に広がる。噴煙柱は、熱せられた周囲の空気を取り込むことで浮力を得て上昇し、中立浮力高度に達すると放射状に広がって傘を形成する。強力な火山噴煙の古典的モデルでは、噴煙は常に軸対称を保ち、回転はしないと仮定されている。本論文では、噴煙柱の上昇流によって、これまで考えられてこなかった流体力学的効果である「火山性メソ低気圧」が生じることを示す。この火山性メソ低気圧は、噴煙柱全体がその軸の周りに回転したもので、1991年ピナトゥボ山噴火の人工衛星画像をこれまでにない手法で解析することで確認された。傘は回転により不安定化して軸対称性を失い、平面図で見ると葉状になるが、これはピナトゥボ山、マナム山、レベンタドール山、オクモク山、チャイテン山、ルアン山などの最近の噴火に対する人工衛星画像と一致している。火山性メソ低気圧は、多くの噴火でみられるようにウォータースパウトや塵旋風を生み出し、チャイテン山の最近の噴火で目立ったように、噴煙の周りに電荷を集中させて「雷光の鞘」を形成する。火山性メソ低気圧の概念によって、強力な火山噴煙中で起き、よく解明されておらず、関連性があるとされていなかった一連の現象に対して統一した説明を与える。

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