Letter 神経:大脳新皮質では興奮性の姉妹ニューロン間に選択的に特異的シナプスが形成される 2009年3月26日 Nature 458, 7237 doi: 10.1038/nature07722 哺乳類の大脳新皮質のニューロンは、組織化されて機能的な円柱状構造(カラム)を成している。カラムの内部では、高度に特異的なシナプス結合が作られて、類似の生理的性質を共有するニューロン群が軟膜から白質まで並ぶようになっている。最近の研究で、新皮質のシナプス結合はまばらで高度に特異的であり、隣接するニューロンどうしでも独立して情報を伝えられることが示されている。こうした精細な微小回路が個々の細胞レベルでどのように構築されて機能的な円柱状構造を作り出すかは、ほとんどわかっていない。今回我々は、発生中の新皮質内で、同一の母細胞から生じて放射状に並んだ興奮性ニューロンのクローンが、この高度に特異的な微小回路を形成する基盤になっているかどうかを調べた。新皮質ニューロン形成最大期の開始前後に、強化緑色蛍光タンパク質(EGFP)を発現するレトロウイルスを子宮内胎仔に脳室内注入することで、マウス新皮質中の興奮性ニューロンの発生中の放射状クローンを標識した。出生後、複数の電極を用いてホールセル記録を行い、放射状クローン内でEGFP標識された興奮性の姉妹ニューロンどうしと、隣接する非姉妹ニューロンとの間でのシナプス形成について調べた。その結果、放射状に並んだ興奮性の姉妹ニューロンどうしでは、隣接する非姉妹ニューロンとの間よりも、一方向性の化学シナプスを作る傾向が強くみられた。また、これらのシナプス結合には、成熟した新皮質でみられるような層間の方向選択性がみられた。以上の結果は、特異的微小回路が、発生中の興奮性ニューロンの放射状クローン群内に選択的に形成され、成熟した新皮質にみられる機能的な円柱状微細構造の成立に寄与することを示している。 Full Text PDF 目次へ戻る