Volume 458 Number 7236

Editorials

EU加盟をめざすトルコで浮上した科学雑誌への検閲疑惑は、これまでの科学技術分野での優れた評価を台無しにしかねない。

p.259

doi: 10.1038/458259a

米オバマ政権の医療情報電子化推進政策は科学研究の促進につながるが、議論すべき問題は多い。

p.259

doi: 10.1038/458259b

科学ジャーナリズムが衰退傾向にある今、科学者自身が社会とのコミュニケーションを直接図る必要がある。

p.260

doi: 10.1038/458260a

News

マックス・プランク協会が、科学雑誌の社説への反論権を主張して、出版社を提訴。

p.264

doi: 10.1038/458264b

EUが、地域に合ったさまざまな環境政策に、巨額な予算を。

p.264

doi: 10.1038/458264a

北米最古の先住民遺骨の返還をめぐって、カリフォルニア大学当局と科学者が対立。

p.265

doi: 10.1038/458265a

SPECIAL REPORT 温室効果ガス削減に向け、米国のキャップ・アンド・トレード制度への取り組みに期待がもたれている。

p.266

doi: 10.1038/458266a

既存の医薬品の改良方法として、製薬業界が重水素化に注目。

p.269

doi: 10.1038/458269a

巨大製薬企業ロシュ社のジェネンテック社買収で、バイオ業界の1つの時代が終わりに。

p.270

doi: 10.1038/458270a

米食品医薬品局(FDA)の長官に、公衆衛生の専門家M Hamburg氏が。

p.271

doi: 10.1038/458271a

News Features

科学ジャーナリズム:既存のメディアに取って代わる?

p.274

科学ブログが重要性を増しつつあるが、既存メディアの地位を奪うのだろうか。

doi: 10.1038/458274a

臨床疫学:保管された答え

Archived answers p.278

医療記録の電子化が実現すれば、研究者にとっては貴重なデータの宝庫になるが、電子化に伴うさまざまな難しい問題が克服できればのことである。

doi: 10.1038/458278a

News & Views

分光学:旋光性を素早く判断

p.289

キラル分子の旋光性は分光学的に調べることができるが、データを得るには時間がかかり、時間分解研究ではこれが問題となる。最新の方法では、このようなデータを一瞬にして得ることが可能だ。

doi: 10.1038/458289a

がん:治療での微妙な違い

p.290

がん治療では、がんの増殖を防止するのに血液供給を制限する薬剤が使われる。このような薬剤は当初は効果があるが、新しいデータによると、長期的に使った場合の影響ついてはさらなる研究が必要らしい。

doi: 10.1038/458290a

地球物理学:地球地殻の深部にある断熱覆い

p.292

地球の地殻に含まれる岩石の研究から、下部地殻は優れた断熱性をもつことが示唆された。この知見から連鎖反応的に引き起こされる考えは多いが、その1つが、地殻がマグマを生み出す能力はもっと高いのではないかというものだ。

doi: 10.1038/458292a

恐竜:羽毛のファジーな起源

p.293

中国の白亜紀化石産出層は、羽毛の生えた恐竜が含まれることでよく知られている。しかし、繊維状の外皮をもつ草食性の恐竜という意外な発見によって、羽毛の進化についてまた新たな疑問が生じることになった。

doi: 10.1038/458293a

化学:極小の反応容器

p.294

ポリマーナノファイバーの接合箇所に形成される反応槽は、ごく小さなもので、含まれる反応物質の分子数は1,500という少なさである。こうした反応容器は、スケール的には究極の節約であるといえる。

doi: 10.1038/458294a

地球気候変動:南極氷床のウエストサイドストーリー

p.295

過去500万年間、西南極の氷床は拡大と縮小を繰り返してきた。2つのグループが行ったこの間の歴史の再構築から、氷床の将来の挙動についての手がかりが得られそうだ。

doi: 10.1038/458295a

神経科学:シナプス特異性の秘密

p.296

脳は、記憶に貯め込まれている情報をどのように整理しているのだろうか。神経活動をリアルタイムで画像化する最先端の手法を用いて得られたデータによると、時空間における特異性を介して行っているというのが答えらしい。

doi: 10.1038/458296a

Articles

神経:長期増強が起こっている単一樹状突起棘におけるCaMKIIの活性化

Activation of CaMKII in single dendritic spines during long-term potentiation p.299

doi: 10.1038/nature07842

生化学:O2輸送タンパク質の設計と加工

Design and engineering of an O2 transport protein p.305

doi: 10.1038/nature07841

Letters

化学:キラル分子の振動光学活性のフェムト秒評価

Femtosecond characterization of vibrational optical activity of chiral molecules p.310

doi: 10.1038/nature07846

化学:有機-無機ハイブリッド・ロタキサンおよび分子シャトル

Hybrid organic-inorganic rotaxanes and molecular shuttles p.314

doi: 10.1038/nature07847

地球:地殻の熱拡散率の温度依存性と火成活動への予想される影響

Temperature-dependent thermal diffusivity of the Earth’s crust and implications for magmatism p.319

doi: 10.1038/nature07818

気候:黄道傾斜角によって調整された鮮新世の西南極氷床の振動

Obliquity-paced Pliocene West Antarctic ice sheet oscillations p.322

doi: 10.1038/nature07867

地球:過去500万年の西南極氷床の成長と崩壊のモデリング

Modelling West Antarctic ice sheet growth and collapse through the past five million years p.329

doi: 10.1038/nature07809

進化:繊維状外皮構造をもつ白亜紀初期のヘテロドントサウルス類

An Early Cretaceous heterodontosaurid dinosaur with filamentous integumentary structures p.333

doi: 10.1038/nature07856

遺伝:培養酵母と野生酵母の集団ゲノミクス

Population genomics of domestic and wild yeasts p.337

doi: 10.1038/nature07743

遺伝:包括的な多型調査によるSaccharomyces cerevisiae集団構造の解明

Comprehensive polymorphism survey elucidates population structure of Saccharomyces cerevisiae p.342

doi: 10.1038/nature07670

免疫:ショウジョウバエの抗ウイルス免疫にはRNA干渉の全身的伝播が必要である

Antiviral immunity in Drosophila requires systemic RNA interference spread p.346

doi: 10.1038/nature07712

免疫:調節T細胞の抑制プログラムはTH2応答を制御するために転写因子IRF4を選んでいる

Regulatory T-cell suppressor program co-opts transcription factor IRF4 to control TH2 responses p.351

doi: 10.1038/nature07674

植物:助細胞から分泌される花粉管誘引物質は、デフェンシン類似のポリペプチドLUREである

Defensin-like polypeptide LUREs are pollen tube attractants secreted from synergid cells p.357

doi: 10.1038/nature07882

遺伝:DNA配列依存的な真核生物ゲノムのヌクレオソーム配置

The DNA-encoded nucleosome organization of a eukaryotic genome p.362

doi: 10.1038/nature07667

生化学:疎水性化合物のタンパク質チャネル壁を通る膜貫通移動

Transmembrane passage of hydrophobic compounds through a protein channel wall p.367

doi: 10.1038/nature07678

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