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海洋:自然の鉄肥沃化による南大洋深海の炭素移出の増加

Nature 457, 7229 doi: 10.1038/nature07716

栄養分に富みクロロフィル含量の少ない海域への鉄の添加は、植物プランクトン大増殖を引き起こし、炭素が取り込まれる。しかしながら、表層からの炭素の移出、特に海洋および堆積物の長年にわたって炭素を隔離する能力は、依然としてほとんど定量化されていない。本論文では、南大洋で行われたCROZEX実験で得られたデータについて報告する。この実験は、クローゼ諸島周辺で観測された植物プランクトン密度の南北勾配は自然の鉄肥沃化によって誘起されたもので、その結果、深海への有機炭素フラックスが増加したとする仮説を検証するために行われた。今回我々は、海面下3キロメートルの場所および海床への、表層からの微粒炭素年間フラックスについて報告する。亜南極南大洋の、生産力が高く自然に鉄肥沃化されている海域からの炭素フラックスは、栄養分に富みクロロフィルが少なく、鉄によって肥沃化されていない隣接海域からの炭素フラックスの2〜3倍の大きさだった。この知見は、氷期の亜南極海域への鉄供給量増加によって、深海への炭素移出が直接的に増えたとする仮説を裏付けている。8,600 mol mol−1のCROZEX隔離効率(冬季混合層以深に隔離される、一定の鉄供給量あたりの炭素量)は、鉄添加によって人為的に誘起された植物プランクトン大増殖の隔離効率の18倍であったが、CROZEXと同様に鉄の自然供給によって誘起された別の大増殖の隔離効率の77分の1であった。意図的に添加した鉄では損失が大きいことにより、人為的に誘起された大増殖のほうが低効率になることを説明できる。自然の鉄供給による大増殖の間で相違がみられるのは、水平方向の鉄供給量を低く見積もっていることが一因かもしれない。

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