Letter

物性:(Ba,K)Fe2As2におけるほぼ等方的な超伝導

Nature 457, 7229 doi: 10.1038/nature07676

最近、いくつかの鉄-ヒ素系化合物で超伝導が観測されたが、それらの超伝導転移温度(Tc)が56 Kと高いため、当然ながら高Tc銅酸化物との比較が行われるようになった。銅酸化物は準二次元的電子特性を示す層状結晶構造をとるため、次元性の低下(すなわち極端な異方性)が、40 Kを超える温度での超伝導の必要条件だろうと考えられるようになった。鉄-ヒ素化合物の初期の研究は、この考えを裏付けているようにみえる。本論文では、最高60 Tの磁場中での(Ba,K)Fe2As2単結晶の電気抵抗の測定について報告する。実際は、この材料の超伝導特性は全く等方的であり、低温では印加磁場の方向とむしろ関係が薄いことが見いだされた。このような挙動は既知の層状超伝導体とは大きく異なっており、これらの化合物での低次元性は「高温」超伝導の必要条件ではないことを示している。我々は、銅酸化物よりもはるかに三次元的と思われる鉄-ヒ素化合物の基礎的電子構造が起因で、この状況が生じると考える。低磁場単結晶データの外挿からは、高い異方性と大幅に過大評価されたゼロ温度上部臨界磁場という、事実に反した結果が示唆される。

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