Letter 細胞:腸がんの起源細胞としての陰窩の幹細胞 2009年1月29日 Nature 457, 7229 doi: 10.1038/nature07602 腸がんは、APC(adenomatous polyposis coli)などの遺伝子のWnt経路を活性化する変異によって始まる。ほとんどのがんと同様、このがんの起源細胞も明らかになっていない。以前に確立されたLgr5(leucine-rich-repeat containing G-protein-coupled receptor 5)ノックインマウスモデルでは、長期生存する腸幹細胞に、タモキシフェン誘導性Creリコンビナーゼが発現している。本論文では、この腸幹細胞でApcを欠失させると、数日以内にそれらの細胞の形質転換が引き起こされることを示す。形質転換した幹細胞は陰窩底部に位置したままで、増殖中の微小腺腫に細胞を供給し続ける。これらの微小腺腫は、際限なく増殖し、3〜5週間以内に肉眼で確認できる腺腫に成長する。幹細胞由来の腺腫内のLgr5+細胞の分布から、幹細胞/前駆細胞の階層は早期の腫瘍病変部で維持されることがわかった。異なるcreマウスを使って、短期生存の一時的に増殖する細胞でApcを欠失させると、誘導される微小腺腫の増殖は速やかに停止する。このようなマウスでは、30週間後でさえも、大きな腺腫がみられることは非常にまれである。我々は、Apcを幹細胞特異的に欠失させると、腫瘍が進行性に増殖すると結論する。 Full Text PDF 目次へ戻る